メンズエステの売上を考えるとき、
「ロングコースを増やして客単価を上げた方がいいのか?」
それとも、
「ショートコースを何本も回した方がいいのか?」
という問題があります。
一件の売上だけを見れば、当然ロングコースの方が高くなります。
60分より90分。
90分より120分。
長いコースほど一人のお客様から得られる売上は大きくなるため、
「ロングコースがたくさん入る店=売上を作りやすい」
と思われるかもしれません。
しかし、ルーム数が限られているメンズエステでは、必ずしもそうとは限りません。
予約が十分に入る店舗なら、一件のロングコースで長時間ルームを使用するより、ショート〜ミドルコースを複数回転させた方が、時間あたりの売上を伸ばせる場合があります。
特に見落としたくないのが「オプション」です。
一人のお客様が120分利用しても、衣装変更など一回の予約に対して付くオプション料金は基本的に一人分です。
しかし、同じ時間で二人のお客様を案内できれば、それぞれのお客様にオプションが付く可能性があります。
つまり店舗が考えるべきなのは、
「一人のお客様にいくら使ってもらうか」
だけではありません。
「一つのルームから一時間あたり、いくら売上を作れるか」
という視点も必要です。
ただし、ここには非常に重要な前提があります。
それは、
「本当に次の予約が入るのか?」
ということです。
今回は、メンズエステのロングコースとショートコースについて、客単価・オプション・ルーム回転率・予約需要の面から考えていきます。
■一件の売上ならロングコースが強い
まず単純に一件の会計だけを比較すれば、ロングコースの方が売上は大きくなります。
例えば仮に、
60分 12,000円
90分 17,000円
120分 22,000円
という料金設定だったとします。
一件の予約だけを見るなら、
60分 12,000円
より、
120分 22,000円
の方が10,000円高くなります。
予約受付の回数も一回。
お客様の入退室も一回。
一人のお客様で長時間の予約枠を埋められるため、店舗としても運営しやすい面があります。
特に予約が少ない時間帯なら、120分の予約は非常にありがたい存在です。
しかし、店舗経営では「一件いくら」だけを見ていると、本当の効率が分からないことがあります。
■同じ120分でも売上は変わる
例えば同じ120分を、
120分コース × 1人
で使う場合と、
60分コース × 2人
で使う場合を考えてみます。
先ほどの料金なら、
120分 × 1人
=22,000円
60分 × 2人
=24,000円
となります。
この時点でも、60分を二回転させた方が売上は2,000円高くなります。
もちろん実際には、お客様の入れ替えや清掃などがあるため、120分の中に60分コースを完全に二本入れられるとは限りません。
それでも、
「ロングコースの方が一件の金額が高いから店舗にも得」
とは限らないことが分かります。
さらに、ここへオプションが加わると差が広がることがあります。
■オプションは「一客ごと」に販売機会が生まれる
例えば衣装変更など、5,000円のオプションがあったとします。
120分のお客様一人がそのオプションを付けた場合、
22,000円+5,000円
=27,000円
です。
一方で60分のお客様を二人案内し、それぞれが5,000円のオプションを付けた場合、
(12,000円+5,000円)×2人
=34,000円
となります。
同じ程度のルーム稼働時間でも、差は7,000円です。
もちろん、すべてのお客様がオプションを付けるわけではありません。
しかし重要なのは、
「お客様の人数が増えるほど、オプションを販売できる機会も増える」
ということです。
120分のお客様が一人なら、基本的には一人分のオプション。
60分のお客様が二人なら、二人それぞれにオプションが付く可能性があります。
そのため予約需要が十分にある店舗では、客単価だけを見てロングコースを優先するより、ショート〜ミドルコースを回転させた方が時間あたりの売上を作りやすいケースがあります。
■ではショートコースを増やせば儲かるのか?
ここで、
「それなら全部ショートにして、どんどん回せばいい」
と思うかもしれません。
しかし、そんなに簡単ではありません。
なぜなら、
二人目のお客様が本当に来るとは限らないからです。
例えば13時から15時までの二時間が空いているとします。
ここへ120分のお客様が一人入れば、その二時間で22,000円の売上が確定します。
一方、
13時から60分のお客様が一人入り、
「次も60分を入れればもっと売れる」
と思って14時以降を空けていたとしても、次の予約が入らなければどうでしょうか。
売上は12,000円で終わります。
理論上は、
60分 × 2人=24,000円
でも、
実際には、
60分 × 1人=12,000円
になる可能性があります。
それなら最初から120分のお客様を取って22,000円にした方が売上は高くなります。
つまりショートコースの高回転が強いのは、
「その予約枠を実際に埋められる店舗」
という前提があるのです。
■満室店は「どう回すか」、暇な店は「どう埋めるか」
ここが非常に重要です。
予約問い合わせが多く、週末や夜になるとほぼ満室になる店舗。
こうした店舗では、
「限られたルームをどう効率よく回すか」
を考える必要があります。
ロングコース一件によって長時間ルームが埋まり、その間に複数の予約を断っているのであれば、回転率を考える意味があります。
一方で、平日の昼間など空室が多い店舗では状況が違います。
そもそもルームが空いているなら、
「回転率を上げよう」
と考えても意味がありません。
回転させるためのお客様がいないからです。
空いている二時間に120分の予約が入るなら、その予約をしっかり取る方が重要です。
つまり、
満室になりやすい店舗
→「どう回すか」を考える
空室が多い店舗
→「どう埋めるか」を考える
という違いがあります。
■同じ店舗でも時間帯によって答えが変わる
さらに、店舗全体を、
「うちはショート重視」
「うちはロング重視」
と決める必要もありません。
同じ店舗でも時間帯によって予約需要は変わります。
例えば、
平日13時〜17時
→比較的空きが多い
平日19時〜23時
→予約が集中する
金曜・土曜夜
→満室になりやすい
という店舗なら、それぞれの時間帯で考え方を変えることができます。
昼間の空いている時間に120分の予約が入れば、長時間ルームを埋めてもらえるため店舗にとって大きなメリットがあります。
しかし予約が集中する金曜夜に120分コースを一本取ったことで、
60分や90分の問い合わせを何件も断っている。
という状態なら、ロングコースによる機会損失も考える必要があります。
同じ120分予約でも、
「本来空いていた120分」
と、
「ほかのお客様から何件も問い合わせが来る120分」
では店舗にとっての価値が違います。
■予約表だけでは本当の需要は分からない
ここで見ておきたいのが、
「予約を断った件数」
です。
予約表を見ると、
18時〜20時 120分予約
と綺麗に埋まっている。
一見すると非常に良い状態です。
しかし、その二時間の間に、
「19時から空いていますか?」
「90分で入りたいです」
「今から行けますか?」
という問い合わせを何件も断っていたとしたらどうでしょうか。
予約表だけを見ると満室ですが、実際にはさらに売上を作れる需要があったことになります。
反対に120分の予約中、一件も問い合わせがなかったのであれば、そのロングコースによって失った予約はほとんどありません。
そのため、
予約が入った件数
だけでなく、
満室で断った問い合わせ
も記録しておくと、店舗の本当の予約需要が見えやすくなります。
■客単価が高い=時間効率が良いではない
メンズエステでは「客単価」が重要な数字として見られます。
もちろん客単価を上げることは大切です。
しかしルームビジネスでは、
「一人のお客様がいくら使ったか」
だけではなく、
「その売上を作るためにルームを何分使用したか」
も考える必要があります。
例えば、
A店
120分で30,000円
B店
60分で18,000円×2人=36,000円
なら、同じ程度の時間でもB店の方が売上は高くなります。
さらに二人それぞれにオプションが付けば、その差が広がる可能性があります。
そのため店舗の数字を見る際には、
客単価
と合わせて、
時間あたり売上
という視点を持っておくと、コース設計を考えやすくなります。
■ただし入れ替え時間も忘れない
ショートコースを回転させる場合、単純な施術時間だけでは計算できません。
お客様の入退室。
セラピストの準備。
シャワー。
ルーム清掃。
次のお客様を迎える準備。
こうした時間があります。
例えば60分コースを二本取るとしても、
13:00〜14:00
14:00〜15:00
と隙間なく予約できる店舗ばかりではありません。
実際には、
13:00〜14:00
入れ替え
14:15〜15:15
など、インターバルが必要になる場合があります。
ショートを回転させるなら、
「理論上何本入るか」
ではなく、
「実際の店舗オペレーションで何本入れられるか」
を見る必要があります。
■ショートを回すほど受付業務も増える
客数を増やすということは、予約受付の回数も増えるということです。
120分のお客様一人なら予約受付は一件。
60分のお客様二人なら二件。
さらに、
問い合わせ
セラピストへの確認
予約確定
お客様への案内
変更対応
キャンセル対応
なども予約件数に応じて増えます。
ルームを高回転させたいのに、電話に出られず予約を取りこぼしている。
問い合わせへの返信が遅く、ほかの店舗へ流れている。
これでは、ショートコースを回せるだけの需要があっても売上につながりません。
高回転型の店舗ほど、予約受付の体制も重要になります。
■セラピストの負担も考える
ショートコースを一日に何本も回す場合、セラピスト側の負担も考える必要があります。
同じ六時間働くとしても、
ロングコース中心で三人を担当する場合
と、
ショートコース中心で六人を担当する場合
では、接客回数や入れ替え回数が変わります。
店舗にとって売上効率が良くても、セラピストが疲弊して出勤を減らしてしまえば長期的にはマイナスです。
また、コースごとのバック設定によってもセラピスト側のメリットは変わります。
店舗売上だけでなく、
「このコース構成でセラピストが働きやすいか」
も確認しておきたいところです。
■ロングコースの割引率にも注意
ロングコースでは、
「長く利用するほどお得」
という料金設定にしている店舗もあります。
例えば、
60分 12,000円
90分 17,000円
120分 21,000円
という料金です。
お客様にとっては長いコースを選びやすくなります。
しかし店舗側から見ると、
長時間ルームを使用する。
一分あたりの料金は安くなる。
オプションを販売できる相手は一人。
という状態になることがあります。
もちろん空いている時間なら、それでもロングコースを取るメリットは十分あります。
しかし常に満室になる時間帯で大幅なロング割引を行っている場合は、
「本当にこの料金設定が店舗にとって最適なのか」
を一度確認してみてもいいでしょう。
■ロングコースを否定する必要はない
ここまでショートコースの回転について説明しましたが、
「ロングコースを減らした方がいい」
という話ではありません。
ロングコースには、
・一件で大きな売上を作れる
・空き時間を長く埋められる
・予約受付や入れ替え回数が少ない
・お客様がゆっくり利用できる
・予約が少ない時間帯でも売上を確保しやすい
といったメリットがあります。
特に空室が多い店舗にとっては、
「回転率」
より、
「まず予約枠を埋める」
方が優先です。
空いている120分に120分コースが入るなら、それは十分ありがたい予約です。
■自店は「回転させる段階」なのか?
コース設計を考える前に、まず確認したいのが自店の現在地です。
例えば、
・毎週末ほぼ満室
・希望時間に案内できず断ることが多い
・人気時間帯の問い合わせが集中している
・ルーム不足で予約を逃している
という店舗なら、
「限られたルームをどう回転させるか」
を考える段階です。
一方で、
・空室時間が長い
・予約問い合わせ自体が少ない
・セラピストが長時間待機している
・平日は予約表に空白が多い
という店舗なら、
ショートかロングかを細かく比較する前に、
「どうやって予約を増やすか」
を考える方が先かもしれません。
■見るべき数字は「客単価」だけではない
コース設計を見直すなら、次のような数字を確認してみましょう。
・コース別の予約件数
・コース別の売上
・平均客単価
・オプション装着率
・時間帯別の予約数
・ルーム稼働率
・満室時に断った問い合わせ件数
・一時間あたりの売上
・セラピストへのバック
・最終的に店舗へ残る利益
こうした数字を見ることで、
「ロングコースが多いから売上が高い」
のか、
「ショートを効率よく回しているから売上が高い」
のか、
あるいは、
「そもそもルームが空いている時間が多い」
のかが分かります。
■結局、ロングとショートはどちらが儲かる?
予約が十分に入ることを前提にすれば、ショート〜ミドルコースを効率よく回した方が、時間あたりの売上を伸ばしやすいケースがあります。
客数が増えることで、
基本料金を受け取る回数が増える。
オプションを販売できる回数も増える。
ルームから作れる一日の売上を高められる。
というメリットがあるからです。
しかし、それはあくまで、
「次の予約が入る」
ことが前提です。
二人目が来ないのであれば、ショートコースを一件取って残りの時間を空室にするより、ロングコース一件で長く埋めた方が売上は高くなります。
だからこそ、
ロングが良い。
ショートが良い。
という二択ではありません。
■満室なら「どう回すか」、空室なら「どう埋めるか」
メンズエステのコース設計で最も大切なのは、自店の予約需要に合わせることです。
予約が入りきらない店舗なら、
「限られたルームをどう効率よく回すか」
を考える。
予約がまだ少ない店舗なら、
「空いているルームをどう埋めるか」
を考える。
同じ店舗でも、平日昼と週末夜では答えが違うことがあります。
客単価だけを見てロングコースを増やす必要もなければ、回転率だけを見てショートコースを増やす必要もありません。
一件の予約を見るのではなく、
「一日を通して、このルームからいくら売上と利益を作れているか」
という視点を持つことが重要です。
ロングコースが入ったから成功。
ショートを何本も回したから成功。
ではありません。
その店舗の予約需要に対して、ルームを最も有効に使えている状態を作ること。
それが、コース設計を考えるうえでの一つの基準になるでしょう。
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LoveWellでは、メンズエステの電話代行をはじめ、店舗運営、開業支援、コンサルティング、店舗売買など、メンズエステ経営に関するさまざまなサポートを行っています。
特に予約数が増えてくると、
「電話に出られず予約を逃した」
「満室時の代替提案ができなかった」
「セラピストへの確認に時間がかかった」
「問い合わせ対応中に別の電話を取りこぼした」
といった受付上の機会損失も起こりやすくなります。
ショート〜ミドルコースを効率よく回すためには、ルームだけでなく予約受付の体制も重要です。
「予約の取りこぼしを減らしたい」
「電話受付を外注したい」
「ルーム稼働率を上げたい」
「料金やコース設定を見直したい」
「店舗運営について相談したい」
といったオーナー様も、お気軽にご相談ください。
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